神戸大学グローバルリンクフォーラム in クアラルンプールに参加して
神戸大学グローバルリンクフォーラム in クアラルンプールに参加して
KUGL in Kuala Lumpur 2014
【KTC/神戸大学工学振興会 機関誌掲載文】
留学生センター 教授 朴 鍾祐
第5回目となる「神戸大学グローバルリンクフォーラム」が2014年12月5日、6日二日間マレーシア首都クアラルンプールにて開催されました。本フォーラムは、福田学長就任以来2011年1月バンコクを皮切りに、同年12月にはソウル、12年には北京、13年にはハノイに続いて開催されたものです。本フォーラムは海外での学術交流並びに戦略的国際交流の促進を目的に海外の協定大学や研究機関と連携し、本学の研究・教育の情報発信を学長自ら参加の下、海外で積極的に行い、大学のプレゼンスを高めることを目的としています。本事業が従来の国際交流事業と異なる特徴は、本学の海外ネットワークの潜在的リソースを顕在化しつつ、緊密な関係を構築することを視野に入れているところにあります。今まで5回行われてきたフォーラムは、いずれも海外同窓会の強力な協力を得て開催されてきました。
今年のグローバルリンクフォーラムは、1日目の自然科学系分野の国際シンポジウムと Kobe University Alumni Networking 。2日目の社会科学系分野の国際シンポジウムを中心に行われました。初日は福田秀樹学長、マレーシア大使館からの挨拶があり、その後の自然科学系分野のシンポジウムでは、防災と環境、医療と保健、災害における国際連携の模索をテーマに、7つの大学機関や国際機関の研究者の講演が行われました。「Natural & Environmental Hazards」のセッションでは、工学研究科の松山秀人教授、大石晢教授による最先端の研究成果が報告され、会場から高い関心を集めました。午後には福田秀樹学長の特別講演をはじめ、「Regional & Local Collaboration on DRR」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、田中泰雄名誉教授(元都市安全研究センター長、現客員教授UTAR:Universiti Tunku Abdul Rahman)がコーディネートを務められました。二日目の社会科学関連の国際シンポジウムは「Econo-Legal Studies for Advancing Market Societies Possibilities of Interdisciplinary Explores」をメインテーマに国際経済と法律をめぐって日本とマレーシアの9名の研究者による講演と活発な議論が交わされました。
このような大学の学術交流と合わせ、神戸大学の海外ネットワークを強化する海外同窓会が5日19時よりSaloma Theatre Restaurantにて開催されました。本同窓会は、2011年バンコクではじめて開催された世界同窓会以来、継続的に行われる同窓会で、今年はとくに主催側のマレーシア同窓会をはじめ、近隣のシンガポール同窓会、また来年グローバルリンクフォーラム開催予定地の台湾同窓会からも多数の卒業生が駆けつけ、まさにグローバルリンクに相応しい同窓会となりました。大学関係者を含め約70名を超える参加者の数は、昨年の同窓会を上まわる数で、大いに盛り上がりました。マレーシア神戸大学同窓会Loong Kok Hong 会長(経営学研究科1995年修了)の歓迎のあいさつ、福田秀樹学長の式辞、正司健一理事・副学長の乾杯の音頭で同窓会が和やかにスタートしました。
歓談の後、参加各国の同窓会代表から各同窓会の活動を交えながら、「グローバル時代における人材育成」を共通テーマとして積極的な提案がありました。まず、シンガポール同窓会の佐々木 淳一会長からは、ASEAN統合の中でシンガポールがグローバル経済の中心的役割を担うことが求められている現在、それを担う人材排出の重要性について述べられました。その後、シンガポール同窓会黒田聡幹事より親睦と旧友を温める同窓会の活動紹介がありました。
台湾同窓会の張大維(自然科学研究科2000年修了)会長からは、普段の活動に加え、台湾同窓会と神戸大学との関わり方ついて重点をおきながら話されました。本学の教育プログラムとの関わりとしては、神戸大学からの派遣留学生の支援事業があります。同窓会主催の歓迎会や台湾卒業生の企業訪問の機会を提供しており、それは派遣留学生たちの経験をより充実させる手厚い支援となっています。台湾卒業生が自分たちの留学経験を後輩たちに還元しつつ人材育成の一端を担う様子を紹介していただきました。台湾同窓会は今後さらに、母校との接点づくり、とりわけ自然科学系分野での交流も積極的に行いたいなど具体的に同窓会の運営についてビジョンを述べ、来年台湾で開催されるグローバルリンクフォーラムに大きな意欲を示しました。ちなみに、今回台湾同窓会からは12人という多数の参加があり、台湾同窓会の底力を垣間見ることができました。
各同窓会の発表を受けた内田一徳理事・副学長(同窓会担当)の閉会のあいさつの中にもグローバル時代の中で、海外同窓会が今後益々重要な役割を担うもので、今後も同窓会に大きいに期待するとともに大学も密に関わりをもつように取り組んでいきたいと述べられました。その後、恒例の学歌斉唱は、いつよりも力強く高らかな歌声が会場を包み込み、みんなの気持ちが熱く一つになりました。
5回を重ねてきたグロールリンクフォーラムは福田秀樹学長の在任期間に一貫して行われた積極的な国際交流促進事業でありますが、この事業を支えてきた同窓会それぞれが大学と密に関われることは無論、海外同窓会同士の横のつながりもさらに強くなって、神戸大学の大きな姿を改めて認識する事業であるように思われました。来年は500人以上の卒業生を擁する台湾同窓会との連携がどのような形を作り上げるか、また島大先輩の勇姿にも大いに期待が膨らみます。
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2015/01/26